種里城跡絵図では、主郭の南側に「寺ノ沢」が描かれ、沢の北に「下門前」、沢の南に「上門前」の地名が記されています。
上門前地区には段々に区画された平坦地が残っており、このうち下段の平坦地の発掘調査では、中世の集団墓が確認されました。溝で区画された墓域内では、火葬骨のまとまりが18ヶ所も見つかっています。火葬した荼毘所は別の場所にあり、骨だけを桶や袋に入れて埋葬したと推定されています。
また人骨1体分については、年齢が熟年(40~60歳)であるという分析結果が出ています。
上門前地区では、さらに上段の高い場所にも小型の平坦地が多数見つかっています。発掘調査では人骨は確認されませんでしたが、墓域に関連した施設ではないかと考えられています。