令和7年4月19日　鰺ヶ沢町合併70周年記念式典

　本日ここに、鰺ヶ沢町合併70周年記念式典を挙行致しましたところ、皆様方には、公私ともにご多忙の折にもかかわらず、多数のご出席を賜りましてありがとうございます。衷心より厚くお礼申し上げます。
　さて、本年は鰺ヶ沢町が昭和30年3月31日、当時の鰺ヶ沢町、赤石村、鳴沢村、中村、舞戸村の一町四村が合併して以来、70周年の節目の年を迎えました。
　いわゆる昭和の大合併により、鰺ヶ沢町は、人口24,000人、県内第3位の行政区域を有する、海、山、川に恵まれた農林水産業中心の町として、また、引き続き西津軽の政治、行政、経済の中心としての役割を担ってまいりました。
　この間、先人の高い志と心豊かでたくましい町民による、たゆまない努力によって幾多の困難を克服し、産業の振興と都市基盤の整備、また、生活環境や教育文化環境の整備など、この70年の間に鰺ヶ沢町は大きな発展を遂げてまいりました。
　先人たちが培い、大切に育て、伝えてきた有形無形の町の財産を、我々は享受しており、まさに歴史の礎の上に今の鰺ヶ沢町、我々があります。
　一方で、こうした先人による努力とともに、我々は鰺ヶ沢町の有する、歴史文化、自然など様々な可能性を秘めた貴重な資源により、大きな恩恵を受けてまいりました。
　それは、津軽藩発祥の地や日本遺産に認定された北前船寄港地などの歴史文化であり、世界自然遺産白神山地やリゾート地となった岩木山、金アユが棲む清流赤石川、広く世界につながる日本海などの豊富な自然であり、また、こうした自然によって育まれた山の幸、海の幸であります。
　さらに、鰺ヶ沢町には地理的な優位性、つまり、地の利があります。鰺ヶ沢町は本県日本海側の中心に位置し、津軽半島の付け根、いわば扇の要にあり、陸上交通と海上交通が交差する要衝の地にあります。
　そして、こうした「地の利」を得て、国のエネルギー政策として、鰺ヶ沢町、つがる市沖で大規模な洋上風力発電事業が本格化してまいります。
　青森県にとっては、この事業による経済波及効果が大きく期待され、また、この事業のメンテナンス港として鰺ヶ沢町の津軽港の機能強化が図られることになり、まさに町にとっても「天の時」を得たものといえます。
　北前船による海運で栄えた藩政時代、そして、本県日本海側の漁業基地として賑わった昭和の時代以来、三度、海に活路を開く大きなチャンスにしてまいりたいと思います。
　中国の古典に「天の時は地の利に如かず、地の利は人の和に如かず」という言葉があります。「天の時」、いわゆるチャンスに恵まれても、「地の利」を生かした戦略にはかなわない、その「地の利」も「人の和」、つまり一致団結した人々の心にはかなわないことを言います。
　今、町が直面している、「天の時」、「地の利」に加え、改めて「人の和」、即ち、町民の皆さんと大同団結してまちづくりに取り組むことが、このチャンスを生かすことにつながり、また、町の将来を支えるとともに、次代を担う若い世代にしっかりとタスキをつなぐことができると思います。　
　そして、その思いを一つにするスローガンが、「We Love あじがさわ」です。
　私たちは鰺ヶ沢が好きです。これは、まちづくりの基本です。
　「この町をずっと大切にします」、「この町をずっと守り続けます」、「鰺ヶ沢町は私たちのふるさと」、「We Love あじがさわ」。
　式典の初めに、小中学生の皆さんに、声高らかに宣言していただきました。
　「歴史と海・山・川が人と人をつなぐまち鰺ヶ沢」。
　古い歴史と文化を有する鰺ヶ沢町民としての誇りを大きな自信とし、町のブランド化、そして、鰺ヶ沢町ならではの生活・暮らしやすさを、町民の皆さんとともに大いにアピールし、多くの人々が訪れるまち、多くの人々に選ばれるまちを、70周年の節目を契機に、「We Love あじがさわ」を掛け声として目指してまいります。
　何卒、町民の皆様はじめ、ご臨席の皆様のより一層のご指導、ご鞭撻をお願い申し上げますとともに、皆様のご健勝とご活躍をお祈り申し上げ、式辞と致します。

令和7年4月19日

鰺ヶ沢町長　平田　衛