特集 大型絵図~鰺ヶ沢町絵図・津軽領海岸絵図~

鰺ヶ沢町絵図(2)


 津軽藩の中心港だった鰺ヶ沢湊の姿を描いた町絵図。藩主の御仮屋(町奉行所)や湊番所、米蔵、舟蔵といった藩の施設、寺社などの他、当時の住家について家主名が1人1人書き込まれている。この絵図の上包には「元禄絵図」とあるが、これは町の西外れの乞食小屋にただし書きがあるのを、成立年代と見誤って書いたものと思われる。理由は、山形屋弥五郎、松本享健ら元禄年間(1688~1704)より後の安永年間(1772~1781)の人物名がみえる点にある。
 さらに享保年間(1716~1736)の菊屋善左衛門の名があることから、この頃に成立した絵図ではないかと考えられる。なお、絵図に書き上げられた人名は796名に及ぶ。木戸は、町の両端(田中町・漁師町)に描かれている。
※本絵図については、町内の古文書学習グループの協力により解読版が作成されている。
ページトップへ